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ネット受付では初めて当院をご利用される慢性疾患の方のみ受け付けております
風邪など急性疾患や既に受診歴のある方はお電話にてお問い合わせください
診療時間
午前 | 9:00〜12:00 |
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午後 | 15:00〜18:00 |
土曜 | 9:00〜13:00 |
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糖尿病専門医
国際連合(UN)が決議し、国際糖尿病連合(IDF)が推進する“ブルーサークル”
「糖尿病との戦いのために団結せよ(Unite for Diabetes)」のシンボルマークです
毎年11月14日は“世界糖尿病Day”です。
国連の決議でインスリンを発見したFrederick Banting 氏の誕生日を世界糖尿病デーと定めました。世界糖尿病デーは、全世界での糖尿病抑制に向けたキャンペーンの推進をする日となっています。
診断(HbA1c;ヘモグロビン・エイワンシー)について
糖尿病が疑われる成人(HbA1c値が6.5%以上の人)の推計が2016年に1,000万人に上ったことが、厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」で分かりました。
発症に至らない糖尿病予備群(HbA1c値が6.0%以上、6.5%未満)も同様に1,000万人でした。
「糖尿病が強く疑われる者」
「糖尿病の可能性を否定できない者」
の推計人数の年次推移
つまりは2,000万人がなんらかの糖代謝異常を生じていることになります。
日本の人口が概ね1億2,000万人と考えると、6人に1人という計算になります。
これは過去1~2ヵ月の血糖状態を示すHbA1c値を測定し発表されたものです。
(HbA1c値が6.5%以上の人を「糖尿病が強く疑われる」と判定、6.0%以上、6.5%未満を「糖尿病の可能性を否定できない」と判定)
糖尿病の診断基準
HbA1c検査は血糖コントロールに関する検査の中で、一番長い間のコントロール状態をあらわす指標です。糖尿病は高血糖状態が続くことで起きる合併症が怖い病気ですから、長期間のコントロール状態がわかるということは、大変重要な指標になります。
アメリカで行われた調査研究では、HbA1cが1割下がると(例:10%→9%)合併症の一つである網膜症が悪くなる危険が40%以上減るとのことです。HbA1c1%の違いが合併症の進行を大きく左右することがわかります。
HbA1cは、過去1〜2ヵ月の血糖の平均値を反映する臨床検査値です。
日本糖尿病学会は、2013年に血糖コントロールの新たな目標値を上記の表のようにすると発表しました。その上で、治療目標は年齢や罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、ケアのサポート体制などを考慮して、患者ごとに設定するとしました。
当院では院内にHbA1c測定機器を導入しており、即時結果説明が可能です。検査方法についても、HPLC法という大学病院などにも引けを取らない精度の高い定量検査を行っています。
当院におけるHbA1c測定実績(延べ人数 2019年)
治療について
食事療法
糖尿病治療の基本の1つ目は、食事療法です。
どんなにいい薬物療法でも食事療法に勝るものはありません。
当院では、食事療法のアドバイスとして
管理栄養士による栄養指導を行っております。
運動療法
糖尿病治療の基本の2つ目は、運動療法です。
軽い糖尿病であれば、食事療法と運動療法のみで血糖を
コントロールすることができます。
年齢が若い方こそ、よりその効果が実感できます。
薬物療法
・内服治療
食事療法と運動療法を行っても血糖が十分にコントロールできない場合、
薬物療法を行います。食事療法と運動療法は継続して必要です。
・注射治療
もう一つの治療法として、インスリンなど注射による薬物療法があります。
最近では週1回注射など、様々な薬剤が使えるようになり、
個々のライフスタイルや病態に併せて一番良い方法を提案します。
当院では外来での導入を行っています。
糖尿病専門医として
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。
インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
糖尿病と診断された時点で、インスリンを分泌する機能が健康な人の約50%まで低下していると言われています。
糖尿病に罹患した初期の段階では症状が現れない場合が多く、治療すべき病として認識することが難しいという背景があり、診断を受けても放置してしまうことがあります。
治療せず糖尿病を放置してしまった結果、膵臓がさらに機能しなくなりインスリン分泌がゼロに近い状態になるとインスリン注射が必要と判断される方もいらっしゃいます。
インスリン注射は、患者さんが自ら注射をしなければなりませんが、これは「注射が怖い」と思う方にとっては荷が重く、糖尿病治療の最終手段と考える患者さんもいますし、病院によっては導入するために入院が必要になってくることもあります。
しかし、早期に治療に取り掛かり、膵臓の回復が見込める場合、インスリン注射は一時的で、もっとも効果的な治療となることもあります。インスリン治療を卒業される方も多くいらっしゃいますし、当院では外来でインスリン導入を行います。
また、毎日頻回注射をしなければならないことで継続が難しかったり、永続的にインスリン治療が必要な“1型糖尿病”の患者に対しては、インスリンポンプによる治療も当院では外来で提案できます。
携帯型インスリン注入ポンプを用いて、インスリンを皮下に持続的に注入する治療法です。3日に1度、注入セットとインスリンリザーバーを交換するだけで、1日数回の注射をする必要はありません。
当院では医者だけでなく多職種の介入により、病態やライフスタイルを元に患者さんのご希望も考慮しながらその人に最も適切な治療を選択します。
もう一つ糖尿病専門医ならでは扱える糖尿病機器の一つとして、持続グルコースモニタリング(CGM:Continuous Glucose Monitoring)やフラッシュグルコースモニタリング(FGM:Flash Glucose Monitoring)があります。
これはこれまでの指先を穿刺して血糖値を測定する方法とは違い、腕などの皮下組織に専用のセンサーを装着し、1-2週間連続的に皮下のグルコース(ブドウ糖)濃度を測定・記録する装置です。
厳密には血糖値を測定するものではありませんが、この機器で測定した値は、血糖値とよく相関することが確認されており、当院では血糖の不安定な1型や2型糖尿病の方、さらには糖尿病の妊婦などに使用しています。
最後に
厚生労働省は「2017年患者調査の概況」を発表しました。
糖尿病患者数は、前回調査(2014年)から12万3,000人増えて、過去最多の328万9,000人になりました。
糖尿病患者数(入院・通院)の推移
先述の厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」によると糖尿病が疑われる成人の推計が1,000万人と発表されたことを考慮すると、医療機関に未介入の方がまだ1,000-328.9≒約670万人いることが推察されます。
地域で唯一の糖尿病専門医(2019/10月現在全国に約6,000名)として、こういった方に受診動機となるような啓発活動も重要なことだと感じています。
院内外のセミナーや研究会、学会などに参加し、知識共有を怠らず行っていくことで、大病院と変わらない糖尿病診療を提供することお約束します。
糖尿病は、自覚症状が少ない病気です。きちんと血糖をコントロールすることはもちろん、合併症の定期的な検査も大切なポイントです。
さらにはその治療方法は近年、大きく進歩しており、治療を継続さえすれば重篤な状態を防ぐことが十分に可能だと考えています。
糖尿病専門医として、うまく糖尿病と付き合っていくためのお手伝いが出来ればと考えております。